愛犬と登山 パピヨンと高山200回以上の教訓  
黒部峡谷鉄道の小犬の乗車拒否
                     犬は自然環境を破壊する?
概要 山岳鉄道小犬の乗車拒否は自らの山の自然環境破壊行為を隠すためのカムフラ−ジュの詭弁だ。地球上で犬が自然環境を破壊した歴史はない。
 
 富山県の山岳鉄道の駅の改札口に犬に関する掲示があったので、駅長に奥から出てきてもらった。
「どういうことですか。」と聞いた。
「山の自然環境保護のために、犬の乗車はお断りしています。」とのこと。
「犬が山の自然環境を破壊するのか。」と問い返す。
「そうです。」と平然とした返事。
この鉄道が「犬が山の自然環境を破壊するから」と乗車拒否しているのは愛犬家の間では周知である。
 
「山の自然を破壊しているのは,犬ではなく、鉄道自体ではないのか。」と反論。
駅長がとまどっている。しばらく無言。
 
駅長、 「実は,お客さんが犬を嫌うからです。」と今度は他人(ひと)のせいにする。先ほどの「犬が山の自然環境を破壊するから」とのお題目は簡単に取り下げてしまった。
 
「住宅街で隣に犬嫌いがいると、犬を飼ってはいけないのか」と問い返した。
返事は「・・・・」ない。
 
 この山岳鉄道はホ−ムペ−ジのご利用案内に「列車内及び黒部峡谷内へのペットの持込みはご遠慮下さい。」と明記してある。この場合、ペットとは犬のことを意識したものである。
「公共機関である鉄道やバスは犬の乗車拒否はできない慣例こなっている。
JRも新幹線も乗せる。この鉄道は特別な鉄道か。同じ法律の適用を受けるはずだ。」と聞いた。
 
返事はなく、沈黙「・・・・・」がしばらく続く。

 JRと新幹線以外の鉄道、地下鉄およびバスは公営、私営をとわず、犬はかごに入れさえすれば、手回り品として無料で乗せる。東京近郊の下記鉄道は確かである。
【西武鉄道、東武鉄道、小田急電鉄、東京急行、東京地下鉄(旧営団地下鉄)、都営地下鉄、横浜市営地下鉄】


 国立公園内にある八ヶ岳の横岳ロ−プウェイも無料でのせる。同じく、国立公園内の谷川岳や御岳山等の山岳ロ−プウェイは300円程度の料金で乗せる。
国内航空機も、かご代込みで数千円の貨物扱いで乗せる。 
 JRと新幹線は旧国鉄の体質が払拭されておらず、今だに270円の有料である。

 山岳鉄道は利益優先で横着な営業を行っているのである。国民を軽視愚弄している。
 
「犬の乗車拒否は、自然環境保護のためではなく、お客さんをできるだけ沢山乗せるためではないのか。」と本音に迫る質問をした。
 
駅長は困惑したような顔をして、「・・・・・・」無言のまま立っている。
 
 黒部峡谷鉄道が犬の乗車拒否をしている隠された理由は、上記のように僅かばかりの料金をもらって乗車させるよりも、乗車拒否の方が利益優先の営業方針に合致するからである。

 高額の乗車料金の取れる観光客を一人でも多く乗せたいのである。お客さんへのサ−ビスなど眼中にない。儲けさえすればよいのだ。公共機関という意識などない。
 
 犬の乗車拒否の隠された第二の理由は、山岳鉄道そのものが、山の自然環境破壊者として、世の指弾を受け始めたので、その矛先をかわすためである。
 狭い峡谷に、年間100万人以上、平成15年で延べ総数3,000万人の観光客が積雪期以外の観光期に押し寄せると、山の自然環境が破壊されるのは当然だ。
 本来、山の持っている自然治癒力を越えた過負荷状態なのだ。いわゆるオ−バ−ユ−スによる自然環境破壊だ。山は悲鳴を上げ、泣いている。
 
 そこで、山岳鉄道は、犬が山の自然環境を破壊するという詭弁をでっちあげ、その犬を入山禁止にすることにより、自分達は自然環境保護者のような顔をしたいのである。だから、犬が実際に自然環境を破壊するかどうかは、どうでもよいのである。
 犬は濡れ衣を着せる適当な相手なのだ。悪質で卑怯なやり方である。ウソも方便の営利主義だ。《山の自然環境を守るために、犬の入山を禁止する。》という建前は、まやかしであり、カムフラ−ジュだ。偽善だ。
 日本全国の鉄道会社の中でも、異質特異な営業を平然と実行している鉄道会社である。

 犬は有史以前から、人間と仲良く生きてきた。その間、犬が自然環境を破壊したという事例は歴史上ない。あるというなら、科学的に実証された証拠を求める。
 空想の詭弁を弄する山岳鉄道は世の中を軽視愚弄している。

 別項にが山の自然環境に与える影響  環境破壊はしない を記述。
 
 
 昨今、企業の大小を問わず、経営者の質の低下、倫理観の欠如が指摘されている。黒部峡谷鉄道の社長はどんな人かと思う。
 証拠もないのに、「あなたの子供や孫がス−パ−や本屋で万引きをしているので、入店を禁止する」と公言されたら、どうするかと聞いてみたい。悪質な店だと名誉毀損で提訴したくなるでしょう。
 立証責任、すなわち、証拠提出義務は、その店にある。証拠が無ければ、敗訴することになる。
 別項に裁判の立証責任はどちら側にあるか。を記述。

 愛犬家にとって、犬は家族の一員である。その家族に濡れ衣を着せられては、いつまでも黙っておれない。
 
 山岳鉄道が「自然環境保護のために、犬の登山はお断りする。」と言うことは、ピッキングの強盗集団が幼い万引き少女を捕まえて、「俺達は正義の味方だ。」と言っているようなものである。
 現今の都会の治安を悪化させているのは、強盗集団であり、万引き少女ではない。少女を補導しても、住宅街の治安はよくならない。 

 黒部峡谷の環境破壊は、犬の登山を禁止しても、しなくても、何の影響も効果もない。人間の入山規制をしない限り、峡谷の環境破壊は進むだけだ。年間の入山観光者数の上限を設けることが不可欠だ。

 それができないなら、「犬は自然環境を破壊するから、登山禁止」の詭弁を弄するのは、即刻止めるべきだ。国民を軽視愚弄している。
 
 話を元にもどす。
駅の事務室で、うつむいて仕事をしているふりをしている駅員二人の前で、駅長が立ったまま、困惑して返事に窮している。こちらを向いたまま、「・・・・・・」無言である。
 
「心配しなくていい。もともと、最初から乗るつもりはない。二度と来ないから、安心していいよ。」と言って、駅をあとにした。何か一言いいたそうで、何も言えない駅長の当惑したような、ホットしたような顔が印象的であった。
 猫よりも小さいパピヨンが、ノ−リ−ドで、やれやれという風情で後ろからついて来た。
   
  
 
 この地域には、ほんとに二度と行く気はない。平成11年に改正された動物愛護法の趣旨が生かされてない地域だ。動物の愛護に関する後進地域だ。駅前や一般の公園にも犬禁止の掲示が多く目に付いた。富山県の飼い犬とその飼い主はかわいそうだと思った。

 公園は何のためにあるのかと問いたい。何でも禁止すれば豊かな文化生活を送れるとでも思っているのだろうか。窮屈で住みづらい地域社会で、のびのびとした情操の豊かな子供達が育つだろうか。老人も心がいやされるだろうか。アニマルセラピ−とは老人の心だけを癒すものではないことを県の職員は理解しているのだろうか。公園の根本的な存在意義を理解してないようだ。

 犬の登山禁止を自然環境保護のカムフラジュにしている観光旅行業者や登山業者の詭弁、横暴のせいで、街全体が犬を悪者扱いしているような印象を強く受けた。
 富山県への愛犬との観光旅行は、犬も人もかわいそうである。
犬連れでなくても、二度と行く気はない。犬も歓迎してくれる心豊かな県に行く。
   
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