サルクマは林野行政の被害者だ! 

 ニホンザルによる農作物被害や住居侵入を防止しようと、大学教授を中心に犬の専門家や
学生ら約30人が参加して、犬十数匹を訓練し、今冬から宮城県内で猿の群れを山奥に戻
す「追い上げ」に活用するという。

 年内には猿を追う人と犬のペアを10組以上つくり、仙台市西部など猿害が発生している
地域で徹底的な追い上げ作戦を展開する。

 宮城のサル調査会はこれまで、人手で猿の追い上げを実施してきたが、猿がやぶなどに
逃げ込み、群れを見失ってしまうことが多かった。そこで浮上したのが、猿追い犬の育成案。
犬の鋭い嗅覚と獲物を執拗に追う習性に着目した。

 伊沢教授は「犬は訓練次第でどこまでも猿を追うようになる。猿の人慣れを防ぎ、野生の
尊厳を守るためにも、ぜひこの試みを成功させたい」と話している(河北新報 05.6.20)。

 猿だけでなく、熊、、鹿、猪による農作物被害だけでなく、熊による多くの死者も出ている。
異常気象で山に食べ物が不足したからとだと、単純に考えている自称専門家が多い。   
原因はもっと根が深い。人間の都合だけで自然環境を破壊した人災だ。
林野庁などは猛反省すべきだ。

 山が好きで、愛犬のパピヨンを連れて、200回以上もいろんな山に登山している。
麓から標高1,000m位まで杉林が続くことがある。登山道には日光が入らず、薄暗い。
見晴らしはゼロだ。

 重い荷物を背負って黙々と歩きながら思うことは人間の悪行の深さだ。
林野庁などの小役人の自然に対する理解力の無さだ。無責任で無知蒙昧だ。

 戦後復興のために木材が必要だったことはわかるが、日本国中を破壊するほど、杉や檜
を植林する必要はなかった。伐採木の搬出に適した山は林野庁などによって破壊され尽く
されている。輸入木材の方がやすいので、杉林は放置され、間伐も行われてない。そのた
めに、日光が入り込まず、雑木や草が生えない。地面がむき出しになっている。      
落ち葉などの腐葉土がないので保水性もない。大雨の時は洪水も起こる。

 杉林には猿、熊、鹿、猪などの食べ物はない。自然の山にはいろんな雑木があり、いろ
んなドングリがある。それを動物たちは食べていた。それを人間が奪った。        
というより、無意味に破壊した。動物たちの楽園を壊滅させた。

 農作物を荒らす動物が悪いのではない。動物との共存を考えてこなかった林野庁などの
小役人が悪いのだ。浅はかなことを長年続けてきたツケが来ているのだ。

 その林野庁の小役人は「山岳救助犬の育成を妨害する小役人!?」に取り上げたように、
山への愛犬の入山を禁止している。身勝手だ。たとえ、国立公園でも犬の入山を禁止する
法律はない。法律に違反して、勝手にル−ルを作って、国民に強制している。

 国立公園の尾瀬では老舗の「長蔵小屋」などの経営者も含め、いくつもの山小屋の経営者
が山の自然環境破壊で有罪判決を受けている。小役人と賄賂接待付け届けで結託していた
と見るのが自然だ。その尾瀬も犬を入山禁止にしている。法的根拠はない。法律無視だ。
犬の入山を禁止して、いかにも自然環境保護者のような顔をしたいのだ。偽善だ。

 長野県も猿や熊を追い払うために訓練した犬を活用するとの報道が半年ほど前にあった。 
愛犬たちを使って、山の動物たちを山へ追い返すことはよいことだ。
殺すことは人間の身勝手だ。忍びない。

 人間と動物の共生を根本的に考え直す時期が来ている。杉林は花粉症で国民生活に
深刻な影響も与えている。国民経済的にも大損失だ。林野庁の要員削減も必要だ。



 

開設2005.7.1 Counter
愛犬と登山 パピヨンと高山200回以上の教訓